ナチ独裁への入り口となった「大統領緊急令」と自民党改憲案「緊急事態条項」の共通性 #4

4番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2019/07/20(土) 18:39:38.37 ID:mHtR+p5Y

>>3 続き

 だが、第二次世界大戦後に制定されたドイツ基本法(憲法)には、1968年の改正時に緊急事態条項が盛り込まれた。その理由は一体何だろうか?

「55年に一応の主権を取り戻した西ドイツですが、緊急事態に対処する権限はなお米英仏が掌握。この状態を早急に終わらせるために、10年以上の激しい議論、廃案と修正を重ねた大論争の末、大連立政権下で盛り込まれました。ワイマール憲法との違いは、独裁者を二度と生み出すことのないよう、緊急時でも権力を一人に集中させない、執行権の野放図な拡大を許さない仕組みがあることです。そして、緊急事態をケース毎に細かく区分し、緊急事態の確認は首相でも大統領でもなく連邦議会が行います(※6)」

※6 切迫した場合の確認は、連邦議会と連邦参議院の議員による常設の合同委員会(48人)で行う。

 一方で、自民党改憲草案には、「こうした制限の仕組みは見当たりません。緊急事態を確認するのは首相ひとりですし、内閣の発する政令は法律同等の効力をもつため、一時的とはいえ独裁的な国政運営が可能になります。基本権人権は、“最大限に尊重されなければならない”と記され、“侵害されてはならない”と書かれてはいません。反対に、ドイツ基本法には緊急時に制限されうるいくつかの権利が明記されている(※7)ので、為政者のさじ加減で停止・制限はできません。また、ドイツでは裁判所は緊急時でも機能しますが、日本では高度に政治的なことゆえに判断を避けるという“統治行為論”が障害になりそうです」

※7 親書・郵便・電信電話の秘密保持や、防衛事態の下での職業・職場等の選択の自由の制限など。

 日本には現在、テロ対策法や災害対策基本法など、緊急時の法律がすでに多数制定されている。あえて憲法にこの条項を加える狙いは何だろうか。「別の意図が見え隠れしますね。そもそも戦争をしない国であり続けるなら、こんな条項は不要でしょう」
(続く)

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