新元号へ「三度目の日本」の創出を 堺屋太一さんインタビュー
(一部抜粋)
──こうした事態は、予測できたことでもあるはずです。なぜ放置され続けてしまったのでしょう
危機感のなさが何よりもまずかった。細かい問題ばかり対処して、根本的な問題に目を向けてこなかったのでしょう。
私は全ての元凶は「官僚主導」にあると思っています。この30年で官僚が目指したこととは、東京一極集中社会の構築・正社員の優遇・持ち家の矮小化・人生設計の硬直化などでしょう。それぞれに長所はあれど、この国から面白みを奪い、多様性を失わせるものばかりです。
そもそも日本の官僚というのは1、2年でポストが変わる。目先の問題にとらわれ、長期的なビジョンが持てないのは当然と言えます。もちろん、国民が彼ら官僚に全てを任せたことにも罪があります。今後国際社会で、敗戦以来政治・経済など全ての面で何一つ構造的な変化がない日本が生き残っていけるか、私には分かりません。
──消費税の導入など、経済的な変化も多くみられました
消費税導入当時、それ自体には賛成していましたが、あまりに細部にこだわり、東京を中心とした制度設計なのはどうしたものでしょう。地方のコンビニエンスストアが消費税を集めても、実際に払うのは東京の本社ですから、税は全て国と東京に流れるわけです。地方の人々が「うちの市に税収を増やそう」と動けるようにした方が良いのではないかと思っています。
ソース
http://www.todaishimbun.org/sakaiya20190215/