今年の本屋大賞翻訳小説部門を受賞したファンタジー小説「カラヴァル 深紅色の少女」(ステファニー・ガーバー著、西本かおる訳)を刊行したキノブックスは20日、同書の全文を無料公開した。公開は20日から1カ月間限定。続編となる「レジェンダリー 魔鏡の聖少女」(同)を27日に刊行するキャンペーンの一環だという。
4月の本屋大賞発表時に、実売が約900冊という少なさで話題集めた「カラヴァル」。受賞後、約8千冊まで伸ばしたが、わずか約2カ月で無料公開に踏み切った。売り場をつくっていた書店からは反発もあったというが、同社は「作品の世界観を気軽に味わってほしい。手元に置いておきたい本として、これを機に書店に行く読者もいるはず」と狙いを説明する。
同社の宣伝室室長は「翻訳書はどうしてもハードルが高く、また触れられる機会も限られる。続編を読んでもらえるきっかけになれば」と話す。
公開先は特設ページ(http://kinobooks.jp/lp/carabal/別ウインドウで開きます)。(宮田裕介)
https://www.asahi.com/articles/ASL6N519ZL6NUCVL01C.html