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つまり、アデルソン会長率いるサンズ社の参入は、日本のカジノで稼いだ収益が、回り回ってイスラエルの入植地建設に充てられる可能性があるということだ。東京外大名誉教授の藤田進氏(アラブ・パレスチナ現代史)が言う。
「かつて日本は、イランをはじめイスラム諸国と友好な関係を築いていました。ところが、安倍政権になってから、日本のイスラエル寄りが鮮明になった。とりわけ、トランプ大統領誕生後は露骨です。そこにもってきて、カジノ解禁です。もし、サンズ社が参入することになったら、少しでも中東を知っている人からすれば、一方的にイスラエルに肩入れしているように取られかねない。もちろん、依存症の問題も大事ですが、カジノ解禁がイスラム世界にどう映っているのか。野党も含めてきわめて鈍感だと思います。日本が、テロのターゲットになる危険も高まると言わざるを得ません」
中東外交にも火種――国民が反対するカジノ法案を強行成立させる必要があるのか。