習が権力基盤を強化し、個人崇拝を進めている証拠は、しばらく前からあった。
特に昨年、自分の後継者になり得る若い人材を政治局常務委員会のメンバーに昇進させることを拒否したことで、
習が2023年以降も権力の座を降りるつもりはないのではないかという憶測は、既に飛び交っていた。
その中で最も多かった説は、彼が正式な任期制限のない共産党中央委員会主席の座にとどまり、
彼に代わって国家主席の座に就く名目上の後継者を選ぶというものだった
(中央委員会主席と国家主席のポジションは90年代以降、結びつけられてきたが、理論上は異なる人物が就くことが可能だ)。
国家主席の任期制限撤廃は、鄧小平が設置した規範の終わりを示唆している。
公平を期して言うならば、中国の権力継承システムはこれまでも、見かけほどしっかりと確立されたものではなかった。
鄧小平は、江沢民とその後継者である胡錦涛の任命に関与していた。
つまり習は、中国の建国の父のうちの誰かから祝福されて選ばれたのではない、初の国家主席なのだ。
加えて、鄧小平と(彼に比べれば程度は低いが)江沢民はいずれも、正式に辞任した後も絶大な権力を維持し、後継者たちを悩ませた。2012年に胡錦涛が習に全面的に権限を移譲したことは、今やむしろ例外的なことに思える。