これは独裁主義的な政治システム固有の弱みだ。
仮にその独裁者が自分のしていることをきちんと分かっていて、国民の支持を得ていたとしても、
独裁者は長く権力の座にとどまり過ぎるか、さらにひどい人物がその座を引き継ぐことになる可能性がきわめて高い。
さらに、平和で予測可能な権力の移譲が可能な民主的規範がないと、指導者の座をめぐる争いはしばしば
エリート層内部の陰謀の形をとり、予測不能で暴力的な結果を招くことが多い。
一般市民は、秩序と安定が約束されているという理由から独裁主義的な政府に引きつけられることが多いが、
その安定は、ライバルたちが現指導者の弱みを嗅ぎつけるまでしか続かない。