NHKは20日、テレビ放送を同じ時間にインターネットでも見られる「常時同時配信」について、当面は受信契約を結んでいれば
無料で視聴できるようにする方針を明らかにした。放送法の改正を前提に2019年度のサービス開始をめざす。
総務省が開催した「放送を巡る諸課題に関する検討会」で公表した。スマートフォン(スマホ)などに専用アプリを入れ、
テレビと同じ番組を見られるようにする。受信料契約がない場合、NHKの衛星放送契約のない人が衛星放送にチャンネルを合わせたときのように、
メッセージが一定部分を占める画面になる。
約5%いるとみられるテレビを持たない世帯は受信契約を結べずネットでもメッセージ付き画面しか見られない。総務省の検討会でも
「放送でリーチできない層に届けるという役割が後退した」(テレビ朝日の藤ノ木正哉専務)と批判が出た。
NHKがネットサービスをむやみに拡大すれば民業圧迫になる。
それでもNHKが同時配信を先行させるのは、20年の東京五輪に向けたサービス拡充であれば大義名分が立ちやすいと判断したためだ。
19年度の同時配信の実施には18年度中の放送法改正が必要になる。民放との関係や受信料制度などに議論を広げる必要があり難航が予想される。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ20I58_Q7A920C1EA2000/?dg=1