東日本大震災から11日で6年半を迎えた。岩手、宮城、福島の3県は防潮堤を591カ所(約390キロ)で計画し、
9割近くで着工、竣工(しゅんこう)しているが、宮城県気仙沼市などの少なくとも5カ所で住民が反対している。
着工・完成した地域でも、その高さに戸惑い、まちをどう再建していくのか揺れている。
気仙沼市日門(ひかど)地区。県は高さ9・8メートル、長さ280メートルの堤防を計画している。
今年5月、地元公民館に20人ほどの住民が集まり、県の説明会が開かれた。「青い海を見ながら暮らしたい」と反対する住民に対し、県は必要性を訴えた。
会も終わりに近づいた頃、意外なところから反論が出た。県とともに住民の説得に当たるはずの市の担当者だった。
「住民や店を営む人たちが必要ないというのであれば、それを受け入れていいのではないか」
http://www.asahi.com/articles/ASK954Q0WK95UNHB00N.html