東京証券取引所に上場している企業のことし4月から9月までの中間決算の発表は11日にピークを迎えます。これまでに発表を終えた企業の経常利益の合計は、円高などの影響で去年を13%下回っていて、すべての企業では4年ぶりの減益となる見通しです。
東京証券取引所の1部に上場している3月期決算の企業の中間決算は11日が発表のピークで、170社余りが業績を公表します。
証券大手のSMBC日興証券が9日までに発表を終えた全体の76%にあたる1097社の業績をまとめたところ、経常利益の合計は16兆2490億円で、去年の同じ時期を13.2%下回っています。
業種別に見ますと、海外事業の割合が大きく、円高の影響を受けた「電気機器」が28.4%、自動車などの「輸送用機器」が21.3%の減益となっています。
また、中国の過剰生産の影響で輸出の低迷が続く「鉄鋼」が63.3%と大幅な減益となっています。このほか、「小売」も外国人旅行者による高額品の購入が落ち込み、4%の減益となりました。
そして、すべての企業の中間決算の経常利益を合計すると、4年ぶりの減益となる見通しだとしています。
さらに、来年3月まで1年間の業績も、経常利益の合計は4.7%の減益になると予想しています。
SMBC日興証券の伊藤桂一チーフアナリストは「アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで、当面は円高の傾向が続くのではないかという懸念は根強い。厳しい経営環境を乗り切るための、再編や事業統合などの動きが加速するのではないか」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161111/k10010764431000.html?utm_int=news-business_contents_list-items_012