(CNN) 米沿岸で1980年代から繁殖するようになった外来魚のミノカサゴ。美しいサンゴ礁をわずか数週間で荒廃させ、在来魚も次々に餌にして、米ロードアイランド州から南米ベネズエラにかけての大西洋に面した一帯で被害を拡大させてきた。
ミノカサゴは食物連鎖の頂点に位置していて天敵は存在せず、繁殖力が強く順応性も高い。これまでのところ、繁殖を食い止める手段は確立されていなかった。
しかし、その対策の決め手となるかもしれない駆除ロボットの開発が進んでいる。
きっかけは、米ロボットメーカー、アイロボットのコリン・アングル最高経営責任者(CEO)がバミューダ諸島で地元の保護団体から、ミノカサゴの被害について伝え聞いたことだった。
駆除ロボットの開発を持ちかけられ、資金提供の申し出も受けたアングル氏は、帰国するとすぐに非営利組織(NGO)のRISEを創設。ロボット掃除機「ルンバ」のために開発した遠隔操作技術に感電装置を組み合わせ、ミノカサゴ駆除ロボットの設計が出来上がった。
駆除ロボットは水中でカメラを使ってミノカサゴを探し、見付けると2枚の電極ではさんで感電死させる。死骸はロボットの体内に吸い込んで回収する。
実験では電極にはさまれてもミノカサゴは逃げることなく駆除された。
ロボット駆除の仕組みは簡単で効果的だが、実用化には課題もある。「ミノカサゴは何百万匹もいる」「何千台もの装置が必要で、安定性が高く安価で安全でなければならない」とRISE幹部のジョン・リッツ氏は話す。
RISEは駆除ロボットの値段を消費者にも買える程度にまで引き下げ、スキューバダイバーや漁師に使ってもらうことを目指す。「うまくやれば我々の装置を買ってミノカサゴを殺し、売ったり食べたりしてもらえる」「特定種を排除する最善の方法は、人間がそれを食べること」と同氏は指摘する。
全文はこちら http://www.cnn.co.jp/fringe/35089264.html
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