ごみとして海に浮遊する五ミリ以下の大きさの微細なプラスチックを、東京湾で捕れたカタクチイワシの八割近くの内臓から検出したとの調査結果を東京農工大の高田秀重教授らのチームがまとめた。
魚の体内から見つかったのは、国内で初めて。餌と間違えてのみ込んだ可能性があるという。人が食べても排出されるため直接的な影響はないが、量が増えると海の生態系などに悪影響を及ぼす懸念があり、高田教授は「海への流出を防ぐ対策が必要だ」と訴えている。
大きさが五ミリ以下の微細プラスチックは「マイクロプラスチック」と呼ばれる。レジ袋などのプラスチックごみが紫外線や波で砕かれてできたと考えられ、東京湾をはじめ日本周辺の多くの海域で浮遊していることが確認されている。
チームは昨年八月、東京湾で捕ったカタクチイワシ六十四匹の消化管の中を調べた。この結果、四十九匹から計百五十個のマイクロプラスチックを検出し、〇・一~一ミリの大きさのものが約八割を占めた。
また約一割は、古い皮膚や汚れをこすり落とすため洗顔料などに入れられている「マイクロビーズ」と呼ばれる微粒子だった。通常は下水処理場で取り除かれるが、大雨で下水管があふれた際に東京湾に流れ込んだと考えられるという。
高田教授は「予想より多く、東京湾の魚は日常的にプラスチックを食べていると考えられる。世界の報告例と比べても多い方だ」としている。
高田教授によると、微細プラスチックは、環境中の有害な化学物質を吸着しやすい性質がある。プラスチックを通じ、海鳥が体内に化学物質を取り込んでいることも分かっており、チームは生物への影響をさらに調べる方針。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/images/PK2016040902100131_size0.jpg
>>2へ続く
ソース
東京新聞:イワシ8割から微細プラスチック おなかに東京湾のごみ:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016040902000231.html