【経済】日本株式会社:よみがえった国家介入主義 M&Aブームの陰に経産省あり、1970年代を彷彿させる産業政策に舵 #3

3番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2016/03/22(火) 01:17:11.30 ID:???

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46396?page=3
第1の要因は、投資家がアベノミクスを強く信頼している理由と同じだ。つまり、安倍氏は本当の政治力を持っている指導者だ、というものだ。確かに同氏は、2006年から2012年にかけて首相が6人もいた国で持久力を発揮している。おかげで経産省の威光も増した、と企業経営者らは述べている。

「経産省は常に、提案されたM&Aは首相官邸が望んでいることだとほのめかそうとするが、今から1年後に同じ人が首相を務めていると考えたら、その言葉の重みが増す」。昨年、ある合併にかかわった会社の上級幹部はこう言う。

安倍氏はまた、アベノミクスの物語のブレーン――最も顕著なのが、安倍氏の経済顧問を務める今井尚哉氏――が元経産官僚だという事実を隠しもしない。

安倍氏の指揮下で、経産省は新たな法律に恵まれた。「産業の刷新」における政府の役割を正式なものにし、経産省に長年なかった類いのインセンティブを与える2013年産業競争力強化法がそれだ。

しかし、これがいかに展開しているかを示す証拠は、矛盾している。家電分野における日本の有名ブランド、シャープをフォックスコン(富士康科技集団)の親会社である台湾の鴻海精密工業に60億ドルで売却する計画は、企業再編に対する経産省の新たな情熱の度合いと、それを実行する能力の限界の試金石となっている。調印は1度延期されたが、鴻海はまだシャープと協議を続け、条件を交渉している。

そして、日本の競争力が薄れ、アベノミクスのパラドックスがもっと際立つようになるにつれ、さらに試練が訪れると経産省関係者らは言う。経産省は当初、シャープの経営危機に対してオールジャパンの解決策を推し進めた。政府の支援を受けた産業革新機構による買収が絡む策だ。

鴻海がもっと高い買収提案を行い、シャープの取引先銀行がオールジャパンのゲームをするのを拒んだことは、経産省としては、鴻海への売却を甘受できる程度にはグローバル志向であるふりをしなければならないことを意味する。

「経産省内には、完全に相矛盾する2つの組織が存在し、双方は完全に異なる2つの方向性を持っている」。日本の有力ディールメーカーの元官僚はこう打ち明ける。

「一方は欧米の経済学、市場論理に傾倒しており、コーポレートガバナンス(企業統治)やさらなるM&A、国際投資、より開かれた貿易の推進を望んでいる。だが、もっと古く、より保守的な部分も存在する。どちらが強いかという問題は、完全にタイミング次第だ。そして、この問題には一貫性がない」

構造的な制約
市場志向の強い側が力を誇示すればするほど、アベノミクスの支持者たちからは気に入られるが、影響力を失う。この問題は、原子力産業に対する支配を維持しようとした経産省の試みによって浮き彫りになった。経産省は不可欠な技術を保護したいと思っているが、日本の原子力企業がすべて欧米企業と合弁事業を手掛けていることから、同省の支配力は制限されている。

「方向性を定めるのは経産省の責任であり、積極的にそうするべきだ。だが、我々は顧客や株主、従業員に対する責任があり、会社としては、政府に指示されたことをやることで責任を果たすことはできない」。三菱重工業の執行役員、名山理介氏はこう語る。

そして、経産省の動きに議論がないわけではない。安倍氏が政権を握ってから、経産省は定期的な産業「サーベイ(基礎調査)」を強化した。こうした調査は、金属やガラスといった産業を当該企業が必ずしも望んでいない経営統合に追い込む。

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