産経、慰安婦の記述がある教科書を有名校が採用したのを理解したくない #9

9番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2016/03/19(土) 15:29:52.54 ID:TVOeaEkI

帝国書院との比較だけど愛国教科書の偏向が戦争以外でもひどい

「育鵬社教科書」の何が問題か
http://toyokeizai.net/articles/-/81377

歴史教科書を選ぶ際に私が大事だと思うことがいくつかあります。
まず、何が歴史を動かしたのかを客観的に観察していること。
特に、誤りがなぜ起きたのかきちんと分析することが大事です。
教科書は楽しい娯楽本ではありませんので、客観的な事実をきちんと述べていて、
最新の研究の成果が表れていることも重要だと思っています。
こうした観点から、私は育鵬社ではなく帝国書院の教科書を推したのです。

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 例えば、帝国書院には「鉄から見えるヤマト王権」という項目があります。
それを読んでみますと、朝鮮半島に鉄が豊富にあり、延べ板のような形でもたらされた、
その鉄を入手することができたことで、他の豪族に比べて、ヤマト王権が
傑出してきた…ということが分かります。

 そうです。ヤマト王権は自分の権力を維持するため、当時の先進国であった
朝鮮半島から鉄とその加工技術を得ていた。非常に分かりやすい構図が見えてきます。

 一方、育鵬社にはそうした記述は一切なく「このころ、大和地方を基盤としてつくられた、
大王を中心とする政権を大和朝廷(大和政権)と呼びます」と書かれています。
これでは、なぜ、大和朝廷の存在感が他の豪族と比べて際立ってきたか、分かりません。

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 徳川綱吉の小判改鋳。これは面白いと思います。
帝国書院は、綱吉が貨幣の質を低下させたことをはっきり書いて います。
「金の含有量を約30%も減らしたことから、1枚の小判の価値が変わってしまい、
経済が混乱しました」 と。
これはとても大事な指摘です。貨幣の質が低下し、流通量が増えてインフレが起きる。
子どもの頃、こういう話を聞いていると、現代の経済政策について、理解が深まるはずです。

 一方、育鵬社の教科書で、綱吉に関する記述を見ると、生類憐みの令については
書いてありますが、貨幣の質を落としたことは書かれていません。
その次に、新井白石について記述がありますが、白石が貨幣の価値を元に戻した、
ということがいきなり出てきます。
質を落とした時の記述がないため、理解しにくいと思います。

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 ただ、近現代史に入ると、編集方針が分かりやすく 見えてくる面はあります。
例えば、私が採択に関わったときに は、育鵬社の教科書には帝国主義という言葉が一言も出てきませ んでした。
帝国書院の教科書には、もちろん、出てきます。
日本は欧米と比べて近代化が遅れている中、帝国主義の仲間入りをすべく、
国の名前にも「帝国」とつけて、がんばっていた、という事実があるので、
それを書かないのは歴史を学ぶうえでまずいのではないか、と思います。

――自国の権力が及ぶ範囲を拡大するため、軍事力を用いて他国を侵略したり、
それを推進したりするような考え方を「帝国主義」と呼びますね。
当時、ヨーロッパ各国はアジアやアフリカに植民地を持っており、日本は
それに追いつけ、追い越せで必死でした。

この事実は、一定の教養・知識を持つ人にとって「常識」ですから、
グローバルに通用する教育を求めるなら、このキーワード抜きに20世紀の歴史を語ることはできません。
右、左という思想・ 価値観の問題を抜きに教育の質、水準という点からも危ういのでは。

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