TPPが発効後は「日本全体がブラック企業みたいになる社会」
http://www.jprime.jp/tv_net/nippon/22843
TPPの大筋合意が報じられた昨年11月から、テレビや新聞は歓迎ムード一色。TPPで私たちの生活はどう変わるのか? 経済アナリストの森永卓郎さんに話を聞いた。
『残業代ゼロ法案』という言葉を耳にしたことはあるだろうか。
「その名のとおり、残業代はいっさい支払われず、賃金は働いた時間ではなく成果に応じて決められ、企業は労働時間の管理さえしないで社員を無制限に“タダ働き”させるという制度。政府は『高度プロフェッショナル制度』と呼んでいますが、このままいけば、いま開かれている国会で成立してしまいます」(森永さん)
TPPとどんな関係が? その問いに森永さんはこう答える。
「TPPが発効されたあとに待ち受けるのは、日本全体がブラック企業みたいになる社会。国民の1%に富が集中するアメリカみたいになっていく。われわれの生活にいちばん影響の大きい雇用面がまさにそう。超富裕層の1%に入れるような人たち、つまり首相や財界のお友達、グローバル企業のエリートたちにとってはTPPが動きだすと大きなメリットになります。残り99%の庶民は安い給料で死ぬまで働かされます」
残業代ゼロ法案について、厚労省の説明では、年収1075万円を超える高度に専門的な人材だけに適用としているが、その条件を経団連は400万円まで引き下げるように言っている。
「すでにアメリカでは300万円弱で残業代ゼロ。同じように日本でも、そこまで下がるでしょう。なぜアメリカのまねをしなければならないかというと、アメリカの企業が日本へ進出するとき、この制度がなければソンをするから。非関税障壁だと言われてしまう」
日本政府が先回りしてお膳立てをしているわけだ。
「また、スズメの涙のお金さえ払えば、いくらでも解雇できるようになる。規制改革会議が導入を求めている『金銭解雇』がそれです。もし企業が解雇した社員に告訴されて、不当解雇の判決が出たとしても、そこで100万だか200万だかの手切れ金を払えばOKという仕組みです」
(>>2以下へ続く)