( 東松山ICから藤岡ICまでの高速料金は特大車で3160円。)
........................ 今回のスキーツアーを企画した旅行会社「キースツアー」(東京都渋谷区)も「一般道を走っても、運転手が得することは何ひとつない」とした。
なぜ、事故のリスクが高くなる暗い山道での峠越えを選択したのか? 同部長がひとつの仮説を口にした。「『(上信越道の)藤岡ICまで行ったので、その後、高速を使わなかったのでは?』という話もある」。それを裏付けるように乗客は東松山ICより先の上里SAで休憩をとったと証言している。同営業部長は「旅行会社から受け取る高速料金は決まっている」。東松山ICから藤岡ICまでの高速料金は特大車で3160円。予算オーバーをカバーしようとして、藤岡で降りた可能性がある、というのだ。
そもそも、運転手の独断での経路変更は許されていない。「運行指示書」の順守が義務付けられており、コース変更は、会社の運行管理者に連絡して許可を得ることが道路運送法で定められている。今回、運転手からルート変更についての連絡はなかったが、国交省の特別監査によると、運行指示書にはルート記載がなかった。運転手2人は正規の行程を知らされていなかった可能性がある。
さらに目的地に到着し、業務終了を示す運転手の押印が書類にあったことも判明。明らかな法令違反で、同社のずさんなバス運行が問題視されそうだ。