エンブレム問題の審査委員の一人がブログで選考過程の内情を赤裸々に綴り波紋、不正の実態は
2015/12/23 20:00
http://www.buzznews.jp/?p=2035389
東京オリンピックのエンブレム問題で審査委員8名のうちのひとりだった平野敬子氏がブログで審査過程を赤裸々に暴露、大きな注目を集めています。
平野氏は佐野研二郎氏によるエンブレムが当初のデザインから修正された際に「適切なプロセスを経ていない」と修正後のデザイン承諾を拒否していた審査委員として8名の中でも異色の存在として認識されてきましたが、10月からブログを開設し審査委員の依頼を受けてからこれまでに至るまでの経緯を赤裸々に綴っていました。ブログはこれまであまり知られてきませんでしたが、12月18日に東京五輪・パラリンピック組織委員会がエンブレム選考過程に関する調査結果をまとめ「出来レースとの批判は当たらない」と結論づけたことから、平野氏の記述とのギャップが話題になっています。
7月下旬から炎上した佐野研二郎氏によるエンブレム問題は今に至るまで組織委員会と審査過程、それに佐野研二郎氏への不信感が消えていませんが、平野氏は10月10日にブログを開始して最初の記事で「エンブレムを審査した審査委員として心が痛まない日はありませんでした」と心境を語り始めます。
平野氏は自分以外に7名の審査委員がいたことから発言が及ぼす影響に鑑みてメディアからの取材には応じてこなかったとし、自らブログで直接経緯を説明するという形を選んだようですがそこで語られているのは組織委員会とエンブレム選考過程に対する疑念を一層膨らませざるを得ない深刻な内容です。
12月18日に発表された調査結果では一次審査における不正を認めてはいるものの二次以降での不正はなかったとされ選考過程の全てがクリーンではなかったものの一部でおかしかったとすることによって国民の怒りに対しガス抜きとも思えるような形で事態の収束を図っており、調査結果によると一次審査で特定の作品が二次審査に進めるよう投票が促されたという事実はあったものの二次審査及び最終審査に影響を与えた事実はなかったとされています。
しかし平野氏は12月22日に公開した記事で「摩訶不思議な調査報告書」と題しこの説明に疑問を呈しています。というのも平野氏が最終審査の様子を詳細に説明した以前の記事によると1位になっていた案について組織委員会のクリエイティブディレクターが「昨日から、このプランのことしか頭に浮かばなかった」という内容の発言をするなど強く推していたとされており、一次審査でどの作品が誰のものであるか認識した上でこうした発言に及んでいたとすれば「最終審査は公正ではなかったということが決定づけられたことになるのではないでしょうか」と平野氏が語る通りに受け止められるからです。
ここで言及されている「クリエイティブ・ディレクター」とは電通から出向していた高崎卓馬氏で、盗作疑惑によって一部が取り下げられたサントリーのトートバッグキャンペーンを担当していた人物であったともされていますが、エンブレム最終審査の場でも佐野氏の作品と知った上で強力にプッシュしていたとすれば平野氏が「とうてい許容できることではありません」と語っていることに同意できるでしょう。