元人質が語る「ISが空爆より怖がるもの」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20151119-00051589/
戦争や紛争とまでいかなくとも、例えば地べたレベルの喧嘩でも、普通は敵の欲しがるものは
与えないのが戦いの鉄則だ。
が、どうも対IS戦に限ってはこの鉄則が完全に無視されている。
ローマ教皇はテロを第三次世界大戦の一部だと言い、英国のキャメロン首相はISをヒトラーや
ナチに例える発言をしている。
いくら何でも極端というか、「もっとパンチの利いたタイトルをください」と言われたライターが苦渋
の末に思いついたような言葉を教皇や政治指導者まで使わなくとも。 と思うが、ISに人質として
捉えられ、彼らと共に過ごしたことのあるフランス人ジャーナリストによれば、こうした反応こそが
ISの大好物だという。
彼はこう書いている。
“
┃ ネット上のニュースやソーシャル・メディアを追い、今回のパリ襲撃後に書かれている様々の
┃ 反応を見て、彼らはおそらく今 「我々は勝利している!」 と大声で連呼しているだろう。
┃ 彼らは、すべての過剰反応、分裂、恐怖、レイシズム、排外主義の兆しに気分を鼓舞される。
┃ ソーシャル・メディアの醜さのすべてが彼らを惹きつける。”
┃
┃ 出典:The Guardian:"I was held hostage by Isis. They fear our unity more than our airstrikes”
┃ by Nicolas Henin
このジャーナリストは、人質として監禁されていた時に数多くのISのメンバーと知り合い、先日
ドローンで殺されたジハーディ・ジョンとも「ハゲ」と呼ばれた仲だったそうだが、彼が気付いた
のは「非情な殺し屋」「冷酷な戦士たち」といったISのイメージはPR・マーケティング戦略の賜物
で、一人一人はみな非常に子供っぽく幼稚だったという。
「イデオロギーと権力に酔っているストリート・キッズ」という感じだったそうだ。
時折、彼らは人質を相手に「メンタル拷問」を行ったそうだが、その言動の幼さに笑ってしまう
こともあったという。
“
┃ 彼らはよく「疑似処刑」をやったものだった。
┃ 一度、彼らは僕にクロロホルムを嗅がせた。別の時は、斬首を真似た。
┃ フランス語を喋るジハーディストたちが「我々はお前の首を切って、それをお前の尻の穴に
┃ 入れた動画を Youtubeに投稿してやる」と叫んでいた。
┃ それぞれ手にアンティーク・ショップで買って来たような刀を握って。
┃ こちらもそのゲームに乗って叫んでやったら、彼らは笑っていた。楽しそうだった。
┃ 彼らがいなくなるとすぐに、僕はフランス人の人質のほうを見て笑った。
┃ あまりにバカらしかった。
┃
┃ 出典:The Guardian:"I was held hostage by Isis. They fear our unity more than our airstrikes"
┃ by Nicolas Henin
続く