■専門家「問題解決システムの構築が必要」
学習塾を長年経営し、現在は教育評論家として活躍する小宮山博仁氏(66)は「さまざまな問題を抱えている生徒に対し、現場の教師が機械的に接するのは望ましくない。ただ、どんな理由であれ、未成年の教え子に性的なメールを送るのは不適切で、教師失格と言わざるをえない」と指摘する。
しかし一方で、「学校全体で対処すべきだった」との都教委の主張について、「都教委は言葉だけで、具体的な自治体主導のシステムが構築されているとは言い難い。悪く言えば現場の教師に“投げっぱなし”で、そうした都教委側の不備も問題の背景にあったのだろう」とも分析する。
「問題生徒の存在を把握した場合、臨床心理士やスクールカウンセラーを介在させ、教師だけで対処しないシステム作りが急務だ。入学時などに『悩みがあれば先生にどんどん相談してほしい。ただし、その場合は先生だけでなく、専門家と一緒に取り組む』と生徒や保護者に説明すれば、生徒が『信頼している先生に悩みを打ち明けたのに、他人に明かされた』と反発するリスクは減るだろう」
その上で小宮山氏は「今後、この男性教諭が教壇に戻った場合、保護者や生徒から厳しい目が注がれるだろう。男性教諭には相当の覚悟が必要になるが、反省して良い教育者になってほしい」とエールを送った。