http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45882
駅近だから大丈夫、湾岸エリアはまだ上がる---そんなマンション神話はもう崩れる。立地の良し悪しなど無関係。マンション価値を根底からむしばみ、大暴落させる「新しい病」が猛威をふるい出した。
審議会が暴露した「真の2020年問題」
東京・新宿区で民間初の分譲マンション「四谷コーポラス」が売り出されたのは1956年のこと。それから約60年の時を経て、日本は全国に約600万戸を抱えるマンション大国となった。
中でも、全国のマンションの4分の1以上が集中、日本一のマンションストック数(168万戸)を誇るのが東京である。
東京都都市整備局(都市整)は、そんな都内マンションの行政をつかさどる大本営。普段はあまり注目されないこの組織が、いま不動産業界で話題の的となっている。
「都市整がパンドラの箱を開けた」
「都内のマンションの9割は23区内に建つが、都市整がそれら優良物件の大暴落を招く『戦犯』になる」
業界関係者からはそんな物騒な声が聞こえてくるのである。
きっかけは約1年前。都市整備局が中心となって不動産のプロたちを一堂に結集して、「マンションの2020年問題」について話し合う審議会を始めたことにある。
審議会の正式名称は、東京都住宅政策審議会。
昨年7月にスタートし、去る9月3日に1年間の議論を答申にまとめたのだが、この答申が業界に大きな波紋を広げているのだ。
「空き住戸の増加や管理組合の機能低下等によって管理不全に陥り、スラム化を引き起こす」
「一たびマンションがスラム化すれば、周辺市街地や生活環境における、治安や景観、衛生面での悪化を招き、地域社会における深刻な問題へと発展する」
答申にはマンション危機に警鐘を鳴らす言葉がズラリと並ぶ。