迂回寄付:日歯連の前会長ら3人逮捕…規正法違反容疑
日本歯科医師会(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の迂回(うかい)寄付を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は30日、
同連盟前会長で現日歯会長の高木幹正容疑者(70)ら3人を同法違反(虚偽記載、量的制限)容疑で逮捕した。
一連の資金移動の背景には、日歯連が組織的に進めてきた選挙支援運動があり、特捜部は選挙運動の実態についても今後解明を進めるとみられる。
他に逮捕されたのは、同連盟の会計責任者を兼ねていた村田喜信・前副理事長(70)と、堤直文・元会長(73)の2容疑者。いずれも容疑を否認している模様だ。
逮捕容疑は、高木、村田両容疑者は共謀し、2013年参院選の際、日歯連が組織候補として擁立した石井みどり参院議員(自民)=比例代表=の関連政治団体「石井みどり中央後援会」に対して
同年1月と3月に2回、日歯連から政治団体間の年間寄付上限額(5000万円)を超過した計9500万円を寄付。
さらに、うち5000万円については同年1月23日に西村正美参院議員(民主)=比例代表=の関連政治団体「西村まさみ中央後援会」に寄付し、石井後援会に同日、同額を寄付した。
これが「迂回寄付」に当たり、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたとしている。
また、堤、村田の両容疑者は10年参院選の際、実際は西村後援会へ日歯連から計1億円の寄付をしたのに、うち5000万円については同年3月30日に
政治団体「民主党参議院比例区第80支部」に一度寄付した後、約2カ月後に西村後援会へ同額を寄付し直し、うその記載をしたとしている。
10年の上限金額の超過違反については時効が成立していた。
3団体の事務所はいずれも東京都千代田区の「歯科医師会館」に置かれ、代表者は高木容疑者が務めていた。事務担当者と電話番号も3団体で同一だった。
事件を巡り、特捜部は今年4月以降、日歯連本部のほか、東京、千葉など日歯連の地方支部団体、高木容疑者の自宅など複数箇所を家宅捜索し、実態解明を進めていた。
高木容疑者は、任期満了に伴い日歯連の会長を6月末で退任。同月19日からは日歯の会長を務めている。
◇日本歯科医師連盟(日歯連)◇
歯科医が加入し100年以上の歴史を持つ公益社団法人・日本歯科医師会(日歯)の政治団体。
1950年、参院選に立候補した日歯役員を支援する団体として届け出たのが始まりで、94年に現名称に改称した。
自民党の吉田幸弘元衆院議員への政治献金を巡る政治資金規正法違反事件で2004年2月に東京地検特捜部が強制捜査に乗り出し、
自民党旧橋本派への1億円裏献金事件、中央社会保険医療協議会を舞台にした贈収賄事件などに発展した。
http://mainichi.jp/select/news/20150930k0000e040232000c.html
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