フェラーリはわき役-米の最悪車コンクール
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マーティン・ミントンさんの1958年式エドセル・コルセア Photo: Gautham Nagesh/The Wall Street Journal
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ポンティアックの「アズテック」
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「なんてこった?」賞を受賞した1968年式「ウルトラ・バン」 Photo: Gautham Nagesh/The Wall Street Journal
By GAUTHAM NAGESH
2015 年 8 月 26 日 13:46 JST
【プリマス(米ミシガン州)】先月当地で開かれた自動車ショーでは、流線型のポルシェ911やたくましい
フォードGTもとまっていたが、多くのカーマニアはショーの本当の主役、ポンティアックのクロスオーバー
ワゴン「アズテック」の周りに集まった。かつて史上最も醜い車と呼ばれていた車だ。
この2004年式アズテックについて、所有者のライアン・ウォルチさんは「今までに持った中で最高の
車だ」と述べた。ショーで最高の賞とされる「最悪車賞」を持ち帰ったのは彼だった。「これが大好き
なんだ」とウォルチさんは話した。
これは「コンクール・ドゥレモン(Concours d’LeMons)」という自動車ショーだった。「自動車界で一風
変わった車、平凡な車、最悪な車」が集結するとうたわれている。この名称は欠陥車を意味する「レモン
(lemon)」を掛けたものであり、これと平行して全米各地で開催されるイベント「コンクール・デレガンス」の
パロディー版だ。コンクール・デレガンスのほうは高級クラシックカーのショーで、デューセンバーグ、ポルシェ
やジャガーなどが並ぶ。
コンクール・デレガンスでは、出場者たちが最高賞をめぐって競い合い、「戦前の英国製スポーツカー」や
「フェラーリ・コンテスト」といった部門にエントリーする。一部のモデルの評価額は数百万ドルに達する。
一方のコンクール・ドゥレモンは、最悪とされる車が最高だと考え、それを愛する人々のためのショーだ。
出場者は「最も危険な車賞」や「落ちこぼれ賞」といった賞を持ち帰る。エントリーできる部門には、「恐怖の
フランス部隊」「スウェーデン製ミートボール」「無駄に複雑なイタリア製」「魂が吸い取られるほどに日本製」
といったものがある。
コンクール・ドゥレモンの審査員に飲食物の賄賂(わいろ)を渡すことは、容認されているばかりでなく、
期待もされている。
コンクール・ドゥレモンは、カリフォルニア州モントレー、ジョージア州アトランタ、ミシガン州南西部で開かれる
コンクール・デレガンスと平行して開催される人気のショーとなっており、クラシックカー界に若干のユーモアの
余地を生み出している。
>>2以降に続く