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「何ですか。僕しかいてないんです」「用ないねんから鳴らさんといて。困らせんといて」
何度コールをしないよう懇願しても、1分もしないうちに次のコールが響く。
ヘルパーは次第にいらだちを募ら せ、インターホン越しに激しい言葉を浴びせかけるようになった。
《ナースコール作動》
ヘルパー「何ですか、何ですか、何ですか」
男性「わかるやろ」
《ナースコール作動》
ヘルパー「なんじゃ、こら。もっかい殴られたいんか、 お前、おい」
男性「なんぼでも来い」
ヘルパー「おう、行ったるわ。ほんなら待っとけ」
《ナースコール作動》
ヘルパー「何言ってきてるねん。お前死ね、殺すぞ」
男性「やってみ」
最終的にヘルパーのいらだちは頂点に達した。
男性の胸ぐらをつかみ、パジャマが破れるのも気にせず言い放った。
「早よ起きろや、こら。しばきまわすぞ、お前」
男性はこのトラブルでヘルパーに殴られるなどしたとみられ負傷した。
録音翌日にレコーダーを回収した次男が問題を把握し、間もなく大阪府内の別の施設に移った。
今は 認知症も進み、介護の必要度が最も高い「要介護5」の認定を受けているという。
■ 同情的判決…「懲罰」避ける
男性が特養に入所したのは19年9月。
15年に脳幹部大動脈瘤(りゅう)を発症して手術を受けたが、右半身のマヒや嚥下(えんげ)障害の後遺障害が残り、
認知症の症状も出始めた。在宅介護やリハビリの末、通院先から紹介されたのがこの特養だった。
入所から2年がたったころ、次男のもとに、特養側から男性がヘルパーを暴行するとの苦情が寄せられるように なった。
男性は次男に「ヘルパーに殴られた」と反論した。
どちらの言い分が正しいのか。次男は迷った末、真相を確かめようと個室にICレコーダーを置いたのだ。
長いのでイカ略