Entertainment | 2015年 07月 27日 17:27 JST
[香港/ロサンゼルス 24日 ロイター] - 米国で今月公開されるSFコメディー映画「ピクセル」(日本公開9月12日)は、
2013年時点の脚本には描かれていたある場面が、最終的にはカットされている。それは、中国の万里の長城がエイリアンに
穴をあけられるシーンだ。
アダム・サンドラー主演の同作品では、インドのタージ・マハルやワシントン記念塔など、世界的な名所がエイリアンから
攻撃を受ける。
配給元であるソニー・ピクチャーズ内部の電子メールからは、同社幹部らが中国での上映許可が下りない可能性を
懸念して同シーンを削除したことがうかがえる。また、中国を意識した変更はこれだけではなかった。
同作品では、エイリアンによる攻撃の「黒幕」が中国であることを示唆するシーンや、メールサーバーをハッキングする
「共産主義陰謀同志」への言及も消えた。最終的に、「黒幕」としてはロシアかイラン、もしくはグーグルが疑われることになった。
(中略)
<当局好みの内容>
ソニー映画で中国に関する内容が慎重に吟味されたのは「ピクセル」だけではない。2014年にリメークされた「ロボコップ」
も、中国当局に好まれるような内容にすべく幹部の間で議論が交わされていた。
(中略)
流出したソニー・ピクチャーズの内部メールが明らかにしているのは、世界有数の映画スタジオである同社幹部らが、中国
当局の反応を予測して自己検閲を行う姿だ。
他の映画会社は、中国当局の承認を得るために、作品に変更を加えて中国版を作ってきた。例えば、「アイアンマン3」
で中国人医師が主人公を助けるシーンは中国版では長くなり、中国の人気俳優ファン・ビンビンが出演している。マーベル
はこの件についてコメントを差し控えている。
>>2以降に続く