戦争体験した93歳弁護士が「安保法案」を批判「法律家として誰も納得できない」
衆議院の特別委員会で7月15日、安保法案が採決され、自民・公明両党の賛成多数で可決されたことを受けて、東京弁護士会は同日午後、緊急の記者会見を開いた。
会見には、東京弁護士会の歴代の12人の会長が参加し、安保法案の撤回と廃案を求める声明を発表した。声明には、存命中の歴代会長24人全員が名を連ねた。
歴代の会長が集まって、連名の会長声明を発表するのは初めてだという。
現会長の伊藤茂昭弁護士は「戦後70年に及ぶ平和な日本の礎を破壊する法案だ。法律家として絶対に譲れない一線を越えた」と与党が強行採決に踏み切ったことを批判した。
会見に参加した歴代会長の中で最高齢の安原正之弁護士(93)は、戦前、大学在学中に明治憲法を学び、戦後、日本国憲法の下で司法試験に合格した。
安原弁護士は戦時中の体験について「大学2年のときに学徒動員で入隊した。
その後、初年兵から士官学校に入った」と説明。「戦局が厳しくなり、卒業を待たずにほとんどの部隊がフィリピンに行ったが、ほとんどが戦病死した。
残った私たちは申し訳ないという気持ちで戦後を過ごした」と強い口調で語った。
今回の安保法案について「法律家として誰も納得できるものではない」としたうえで、「日本は、70年間戦争されることも、することもなく、ここまできた。若い世代が、そうした世の中をつなげていくことを望んでいる」と述べた。
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