バイト・パートの時給、14年12月最高に 三大都市圏
アルバイト・パートを募集する際の時給が一段と上昇した。
求人情報大手のリクルートジョブズが20日発表した2014年12月の募集時平均時給は、三大都市圏(首都圏・東海・関西)で前年同月比0.7%高い966円だった。
06年1月の調査開始以来、3カ月連続で過去最高を更新した。
首都圏では、09年12月以来の高水準で1005 円と1000円台に乗せた。関西でも調査開始以来の最高だった。
求人は「10~11月に本格化し12月は一服する」(インテリジェンス)ことが多い。
昨年は11月までに採用できなかった企業が、時給を引き上げたケースもあったようだ。
リクルートジョブズによると飲食店従業員の 12月の平均時給は前年同月比0.9%上昇した。
特に居酒屋やレストランのウエーターなどの上昇幅が大きかった。
「一部の飲食店では、年末年始に出勤したバイトやパートに、時給を上乗せするところもあった」(求人サービスのディップ)という。
忘年会などの飲食需要は衆院選の影響で出遅れたが、年末にかけ回復したとの見方が多い。
工場や物流施設で働く人の時給も上昇した。
リクルートジョブズのまとめでは、「製造・物流・清掃」関係の従業員の時給は前年同月比 0.6%高い。
物流施設内の作業員やフォークリフトの操作員などの時給上昇が影響した。
関西地方では「大型物流施設の完成が相次ぎ、必要な人数が集まらないケースもある」(リクルートジョブズ)。
工場勤務者の募集賃金も高止まりしている。
インターワークスが運営する製造業の求人サイト「工場ワークス」に掲載される求人広告の平均時給は、
14年11月時点で1083円と前年同月比2.5%上昇した。
自動車や重機工場で時給が上がった。
人手不足の傾向は15年に入っても続いている。求職者は時給だけでなく、業態や企業イメージ、ブランドで勤務先を選ぶ傾向を強めている。
業態などによっては採用が難しいところもある。
首都圏の牛丼チェーン店では深夜の時給を1500円前後とするところも出てきた。
ただ一段の時給引き上げは難しい可能性もある。
新規に募集するアルバイト・パートの時給引き上げに際しては、既存の従業員の時給を引き上げることも必要になるためだ。
また、人件費を増やす余力のない飲食店も多い。
2015/1/20 23:32 日本経済新聞社
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO82180950Q5A120C1QM8000/