「1kgあたり 2,400Bq のイノハナ(山のきのこ)が 10g入ったご飯を1合食べた場合、損失余命は7秒。
一方で、自動車を 10㎞運転する場合に、事故死する確率から計算した損失 余命は 21秒。
イノハナご飯を食べるより、自動車を運転するほうが3倍程度リスクが高いんです。
こういう事実を考えることが、合理的な行動に結びつきます」
こう述べたのは、ビデオ出演した福井県立大学経済学部教授の岡敏弘氏。
“損失余命”とは聞き慣れない言葉だが、人間の寿命が特定のリスクに遭遇することで、短くなる平均寿命のことだ。
ちなみに、野生きのこの摂取制限が出ている南相馬市の測定結果を見ると、
原町区で採れたイノハナから1万4,140Bq/kgという超高濃度の放射性セシウムが検出されている(平成26年9月時点)。
「“損失余命”が理解できたという方は青、わからないという方は赤を上げて!」
半谷氏が参加者に問いかける。
参加者には事前に赤と青のカードが配られており、そのつど、カードを上げさせて理解度を測るようだ。
参加者は、ほとんどの方が戸惑いながらも青のカード(理解できた)を上げた。
さらに、冒頭で登場した越智小枝氏が「放射能が怖くてきのこや山菜を食べなくなったという方がおられますが、
野菜やきのこを食べない、これらは全部健康リスクにつながります」と、たたみかける。
放射能安全派の弁はさらに続く。
同じくビデオ出演の東京慈恵会医科大学教授で小児科医である浦島充佳氏は、
「チェルノブイリ原発事故によって増えたのは子供の甲状腺がん。しかも、 亡くなった方はほとんどいません。
白血病は増えませんでした」 と、キッパリ。
さらに、「食品に含まれている放射性セシウムが、子供のがんを引き起こすかというと、それはどうかと思う」
とセシウムのリスクを否定。
「大人なら 1,000Bq/kg、子供でも 100Bq/kgくらいなら与えても大丈夫。
食べたいものも食べられずストレスを抱えているほうが、子供たちの情緒的な発達に影響します。
家族で同じものを食べて、夕食には笑いが起こるような時間を過ごしてほしい」
笑みを浮かべながらこう語ったのだ。
そこまでして、汚染されたきのこやイノシシを子供に食べさせたいのか。正直、背筋がゾッとした。