昨年4月からの消費増税について、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁は、やっと公式にその悪影響が予想以上であったことを認めた。
13日の参院デフレ脱却・財政再建調査会で、「予想を超えた大きさだった」と答弁したのだ。
「消費増税の影響は軽微」と安易に予想したことが間違いであったわけだ。
なぜ2014年度の景気がこれだけ悪くなったかを政策関係者が認識すれば、17年4月からの10%への再増税について、おのずと解決策が出てくるはずだ。
いわゆる「景気条項」は削除されたが、景気を悪化させるインパクトの大きい再引き上げを止める方法はないのだろうか。
17年4月は今から2年先である。
そのときの経済状況を的確に予測するのはかなり難しいが、景気調整政策として税を考えた場合、再引き上げが望ましい場合もあれば、再引き上げが不要になる場合もある。
再引き上げが望ましい場合とは、2年後の景気が過熱したときである。
もちろん、金融引き締めを行う手もあるが、金融政策は効果が出るまで一定のタイムラグ(時間のずれ)がある。
しかし、増税の場合には、昨年の消費増税の例で分かったように「効果」がすぐ出てくる。
したがって、景気に冷や水をかけるために増税が望ましい。
1989年の消費税創設は、バブル景気のまっただ中であり、景気に冷や水をかけても問題なかった。
もっとも、その後、金融政策を必要以上に引き締め、それを正しいものとして継続したために、「失われた20年」を招いたのは金融政策の失敗である。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150519/dms1505190830003-n1.htm