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昨日(5月20日)の党首討論での志位和夫の質問は、次の通りだ。
志位 戦後の日本は、1945年8月、「ポツダム宣言」を受諾して始まりました。「ポツダム宣言」では、日本の戦争についての認識を二つの項目で明らかにしております。
一つは、第6項で、「日本国国民ヲ欺瞞(ぎまん)シ之ヲシテ世界征服ノ挙(きょ)ニ出ヅルノ過誤」を犯した勢力を永久に取り除くと述べております。日本の戦争について、「世界征服」のための戦争だったと、明瞭に判定しております。日本がドイツと組んで、アジアとヨーロッパで「世界征服」の戦争に乗り出したことへの厳しい批判であります。
いま一つ、「ポツダム宣言」は第8項で、「『カイロ』宣言ノ条項ハ履行(りこう)セラルベク」と述べています。
「カイロ宣言」とは、1943年、米英中3国によって発せられた対日戦争の目的を述べた宣言でありますが、そこでは「三大同盟国は、日本国の侵略を制止し罰するため、今次の戦争を行っている」と、日本の戦争について「侵略」と明瞭に規定するとともに、日本が「暴力と強欲」によって奪った地域の返還を求めています。
こうして「ポツダム宣言」は、日本の戦争について、第6項と第8項の二つの項で、「間違った戦争」だという認識を明確に示しております。
総理におたずねします。総理は、「ポツダム宣言」のこの認識をお認めにならないのですか。端的にお答えください。
こりゃ、答えは簡単だ。「当然、認めます」「当たり前の話ですよ」で済む問題だ。しかし、キミは「ポツダム宣言の認識をその通りに認める」ことはできないのだ。しかも、その理由を説明し反論するだけの知識も能力もない。だから、キミの返答は次のような、ちぐはぐなものになってしまった。
アベ この「ポツダム宣言」をですね、われわれは受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。そしていま、えー、私もつまびらかに承知をしているわけでございませんが、「ポツダム宣言」のなかにあった連合国側の理解、たとえば日本が世界征服をたくらんでいたということ等も、いまご紹介になられました。私はまだ、その部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから(議場がざわめく)、いまここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよですね、いずれにせよ、まさにさきの大戦の痛切な反省によって今日の歩みがあるわけでありまして、われわれはそのことは忘れてはならないと、このように思っております。
聞かれたのは、「間違った戦争だというポツダム宣言の認識を肯定するのか否定するのか」ということだ。結局キミは認めるとは言わなかった。歴史的経過として、日本が同宣言を受諾をして敗戦となった事実は認めるとは言ったが、そんなことは聞かれていない。問題は、戦争の評価だ。私は、教師として口を酸っぱくして、キミに教えたはずだ。あの戦争は侵略戦争であり、植民地拡大のための戦争だった。これを誤りとして反省するところから戦後日本は再出発し、近隣諸国にも迎え入れられたのだ。キミはどうして、「あの戦争は間違いだった」と言えないのか。「カイロ宣言やポツダム宣言に書いてあるとおりだ」と言おうとしないのか。ヘンな教え子をもってしまった私は不幸せだ。
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