映画字幕の翻訳と通常の翻訳は“別もの” 理想的なのは「透明な字幕」
何よりも日本は識字率が高かった。ここはあえて過去形で言いますね。
それに日本語は字幕的な言語なんです。漢字は一字みれば意味をパッとつかめるでしょ。
視覚的には漢字が文章を引き締め、ひらがなは柔らかい。あのバランスが大画面で見たときにとても美しい。
残念ながらその素晴らしい文化が崩れつつあります。
映画字幕の翻訳と通常の翻訳は別ものなんです。
字幕が字数に縛られていることを知らない人から「誤訳」などと批判を受けることもありますが、気にしません。
もちろん間違った訳や下手な意訳はいけない。理想的な字幕は、観客に字を読んだという意識が何も残らない字幕なんです。
画面の人が日本語をしゃべっていたと錯覚を起こすくらい「透明な字幕」が一番いいんです。(聞き手 田北真樹子)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150505-00000518-san-movi