(加奈さん=仮名・22歳)
大手企業を受けても受けても採用通知はまったくありません。しかたがないので、芸能事務所の事務員に応募しました。 その事務所はモデルや女優などが所属していて、どこか華やかな世界です。いか にも業界人風の社長は、面接で私の清潔感を褒めてくれました。
「実は今晩、接待があるんだけど参加してみる? そこで君の社交性を観察してから決めたいんだ」 これはチャンスだと思い、喜んで承諾しました。老舗の料亭でテレビ局のディレクター、石田さん(=仮名・35)を接待するそうです。
彼はすごく感じのいい人で、どんどん会話も弾みます。社長は「この子、なかなかいいでしょう?」と聞くと、彼は笑顔で頷きました。「じゃあ、面接はここで終わり。合否は追って通知しますので…」 社長は私にウインクして帰りました。
すると、石田さんはいきなり対面から隣に座ります。 「君はステキだから、腕枕してもらえる?これが業界で言うところの『腕枕営業』なんだよ」
手を握りながら料亭の襖を開けると、そこには布団が敷いてありました。あまりの急展開に心臓がバクバク。そんな動揺を見透かしたように、「あの社長はうちの下請け。僕が助言すれば、内定なんてどうにでもなる」と言います。
続く