は飛行機を飛ばさなければ燃料費がかからず、運航コストの大部分を節約できる。欠航になれば空港に着陸料を支払う必要もない。
だが、欠航によるコストは他にもある。多くの航空会社は、欠航が決まった便の乗務員に対し、乗務しなくても給与を支払わなければならない。地上職員は飛行機が離陸しようがしなかろうが、給与を受け取る。飛行機を空港に置いておけば、空港に停留料金を支払わなければならない。飛んだかどうかにかかわらず、航空機には定期的な整備が必要だ。発注済みの機内食――ビジネスクラス用の食事を搭載したワイドボディ機の国際便では1万2670ドルに上る――が無駄になるかもしれない。
払い戻しは最大の要因だ。マークス氏が調査したところ、ビジネス客の30%が払い戻しを受けるが、レジャー客で払い戻しを受けるのは20%にとどまるという。
さて、あなたが乗る予定だった便が欠航になったら、どうしたらいいのだろう。
・できるかぎり早く予約を変更すること。通常、空席は利用頻度が高い乗客や高い運賃を支払っている乗客、それに一部の航空会社では子連れの家族に優先的に割り当てられる。そのあとは早い者勝ちだ。旅行会社を利用している場合は、旅行会社が素早く予約変更の手続きをしてくれるかもしれない。そうでなければインターネットで予約を変更しよう。最後の手段は電話で問い合わせをしながら行列に並ぶことだ。
・原因を把握すること。悪天候であっても、乗員不足や機体の故障で欠航になったのであれば航空会社は宿泊費を支払ってくれるはずだ。
・ハブ空港から200マイル(約322キロメートル)以内にいて、ハブ空港までの小型機による接続便が欠航となった場合、車で行くという選択肢もある。全旅程が取り消されないようにまず航空会社と話をつけよう。片道だけ利用できるレンタカーの乗り捨てサービスの利用も検討すべきだ。
・宿泊するホテルを探すこと。料金は乗客が支払うにしても、航空会社が部屋を予約していることもある。しかし、自分で近くのホテルに電話をするかインターネットで予約するほうが楽かもしれない。
・いつあきらめるかを決めること。母なる自然には逆らえないこともある。最善の決断は空港で立ち往生するより旅行を見送ることかもしれない。
http://jp.wsj.com/articles/SB10030317691824024149004580518733311441818