ジャッキー・チェンさん:中国の映画審査に苦言
【北京・工藤哲】香港のアクション俳優で、国政助言機関・中国人民政治協商会議(政協)の委員を務めるジャッキー・チェン=中国名・成龍=さん(60)が11日、北京市内で開かれた政協の小会合で発言を求められ、自らが日本で撮影した映画「新宿インシデント」が中国で公開できなかったことを挙げ、「どんな表現がOKなのかはっきりと法律で示してほしい」と訴えた。世界的に知られたジャッキーさんによる中国当局への率直な苦言は話題を呼びそうだ。
◇日本で撮影した作品公開できず
白いTシャツにトレーナー姿で会合に臨んだジャッキーさんは、1990年代の中国から日本への密入国者をテーマにし、東京・新宿の歌舞伎町などで撮影し2009年に公開されたこの作品について「出来の良い作品だった。ある政府の役人からは『撮影はまったく問題ない』と言われたが、撮影を終えた後に『(公開は)だめだ』と言われた。結局中国で公開できず数千万元(数億円)損をした」と語った。
全国人民代表大会(全人代=国会)と並行して北京で開かれている政協は中国共産党と関連組織との協力を目指す組織で、芸能やスポーツ、科学、経済界など幅広い分野で中国が直面する課題について討議・提言している。ジャッキーさんは13年、ノーベル文学賞を受賞した莫言(ばく・げん)さんらとともに政協委員(任期5年)に選ばれた。
http://mainichi.jp/select/news/20150312k0000m030131000c.html