る火星人や金星人を帝国軍に引き渡せば地球内で対立の果てに内戦が起きるのは目に見えている。平和で美しい地球が戦火にまみえる。地球内で対立や内戦が起きれば帝国軍のマザーコンピュータは地球内には自由連邦軍の残党勢力とみられる地球人が残っているではないか。そいつらも一人残らず引き渡せと要求してくるのは確実である。帝国軍の要求はさらに拡大していき登録上は地球人ではあるが火星人や金星人の血が入っている者もすべて引き渡せと要求してくる。そうすればまたまた地球内での対立と内戦が激化してくる。どんどん地球内部は荒れてくる。対立と内戦が収まらなければそのうち帝国軍は反乱分子の監視部隊として地球に進駐してくるだろう。自由で平和な商業惑星地球は帝国軍の支配下に置かれてこれまで通りの自由な交易も制限されていく。やがて地球人というだけで反乱分子扱いされて地球は帝国軍が移住命令を下した太陽系外の移民に乗っ取られて真綿で首を絞められるがごとくじわじわと地球人は絶滅させられる事になるだろう。自由連邦軍や帝国軍の支配惑星を自由に行き来して貿易を行ってきた商業惑星の地球人にとって帝国軍に支配されたのち惑星ごと反乱分子扱いされて滅ぼされた惑星住民の運命は数え切れないほど見てきた。帝国軍の横暴な手の内は手に取るように見えた地球人達。自由連邦軍の一員としていち早く死ぬか? 屈辱に受け続けて時間をかけて帝国軍になぶり殺されるか?ならば答えはひとつしかない。賢い地球人達は話し合いの中でこう結論を出して最後の加盟惑星として自由連邦軍に加わり地球艦隊を冥王星での艦隊決戦に出動させていった。これら双方の激しい戦いによる残骸と無数の死者が冥王星の周辺の宇宙域に散らばっている。だから冥王星なんだと。この名づけにも意味があった。それら帝国軍と自由連邦軍双方の宇宙船の残骸が海王星と冥王星の太陽系外側の宇宙域に無数に漂っていてこの宇宙域を安全に航行できる状態ではなかった。さらには自由連邦軍のごくわずかに生き残った艦隊が冥王星での戦いのあとに宇宙船の残骸をレーザー砲でさらに細かく破壊していったり残骸に見せかけた機雷を幾千万個も設置したりしてさながら帝国軍艦隊を一隻たりとも寄せ付けない残骸防御陣地が完成していた。マザーコンピュータが太陽系に到着するまでにこれらの残骸を一か所に集めて撤去する作業が帝国軍艦隊の間で急ピッチで行われていた。残骸すべてを回収して別の場所に移動させるには時