keisobiblio.com/2021/07/13/atogakitachiyomi_gunjiriron/
ヴェトナム戦争を通して米軍はどの主要な戦闘においても負けたことはなかったそれにもかかわらずアメリカは戦争に敗北したとされているどうしてこうなったのだろうかどうしてすべての戦術的勝利の積み重ねを戦略的な利得に変換できなかったのだろうかその後10年間にわたって戦略家はこのパラドックスを考え抜いた徐々に戦略家たちの多くは似たような結論に至った第1に戦争における戦術的勝利は自動的に戦略的勝利に帰着するものではないしたがって適切な戦術的勝利を獲得することがきわめて重要であって唯一戦略的勝利に帰着する戦闘に勝利するために戦うことにより戦略的効果をあげることが可能となる第2に戦略レベルと戦術レベルの間に新たな戦争のレベルを確立する必要があるいわゆる作戦レベルであるこのレベルにおいて軍の司令部は選ばれた戦略を実現することに努力を傾注することが要求されることになったとはいえ作戦術は現代になってから生じたものではなく作戦術の考え方は意識的無意識的を問わず何らかの形態をとりながら歴史的に存在してきたと考えられる作戦術とは何でありそれは何をするものなのか作戦術を理解するための概念とは何であるのかどのような要因が必要条件となるのか歴史的経緯として作戦術は主に18世紀後半の戦争の形態の変化と19世紀初頭の技術開発の結果として萌芽したといってよい大規模な国民軍の登場は戦争の遂行に重大な影響を与えたこれらの情勢の変化により戦闘における指揮も従来と異なるアプローチが求められることになったなぜなら国民軍が登場した後の新たな戦争は膨大な兵士を動員させるため規模が拡大し指揮官個人の裁量によって部隊を率いることを事実上不可能としたこのことは今までにない組織的意思決定関連する幕僚計画作成手順及び指揮命令系統をともなった新たな指揮の形態を必要とした19世紀後半以降の戦争ではたった1回の決戦で決着するのは稀になったその代わりに連続した戦闘による長期的な戦役が敵を打ち負かすために必要とされた1980年代アメリカ陸軍によって提示された作戦術そのものと作戦術に関連する概念の定義は数回にわたって改訂されNATOドクトリンにも影響を与えたこの作戦術の定義は重要であり引用する最も簡単な表現をすると作戦術はいつどこで何のために主戦力が戦うのかを決定するこの定義により作戦術の目的は戦略目的を達成するために効率的な方法で軍事力を用いるということが明確となった作戦術は戦略目的に対し最適に貢献するためどこでいついかなる戦闘が実施されるべきかを決定しなければならない
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ベトナム戦争における予想外の失敗は米国内のみならず世界を震撼させた米海軍はこれらの失敗を作戦術の無視或いは欠如によるものと分析している作戦術によればより小さな部隊でもよく訓練すればより大きな敵を迅速かつ決定的に打ち負かすことができるつまり作戦術の目的はできるだけ短時間に最小の兵力で決戦に勝利することにあるのである