過疎化と高齢化が進むなか、全国津々浦々に毛細血管のように伸びていたバス路線網が末端部分から消滅しつつある。その裏には利用者減がある。2000年度と比較して乗合バスの輸送人員は、三大都市圏では微減にとどまっているのに対し、地方では2割も減少。そしてバス路線も、06年から13年までの期間で1万1160kmと、全国バス路線41万km(09年)の2.7%が廃止されてしまった(「物流ウィークリー」より)。
 本州最東端にあたる岩手県の重茂半島は、絵にかいたような末端部の過疎地だ。東日本大震災による津波で約50人が犠牲になり、避難・転居先で住宅を新築する世帯もあることで、ますます過疎化が進む恐れも出てきた。この半島を走る岩手県北バスの重茂線も、学生の通学需要がなければすぐに廃止されても不思議ではない路線だ。
 ところがこの路線が、新たな役割を担うことになり活路を得た。ヤマト運輸との協業で、通常の旅客だけでなく、宅急便の荷物も乗せて運ぶことになったのだ。
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