日本が世界に誇るコンテンツ『攻殻機動隊』。
発表から25年、作品の魅力のひとつである「電脳」や「光学迷彩」
そして「義体」といった近未来テクノロジーの実現可能性を探る企画
「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」が2014年に起動しています。
そして2015年3月21日、東京ビッグサイトで開催したアニメジャパン2015にて
昨年に続き2回目のディスカッション「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT in Anime Japan」が催されました。
詳細は続きをどうぞ。
今回は攻殻機動隊におけるサイボーグ技術「義体」に強く関係する超人スポーツ委員会
そして高度な補助器具を使った障害者スポーツ選手たちのイベント「Cybathlon」についてディスカッション。
昨年11月の第1回にも参加した慶応義塾大学大学院の稲見昌彦教授(メディア研究科)をはじめ
同じく准教授である南澤孝太氏。ソニーコンピュータサイセンス研究所兼Xiborg代表取締役でもある遠藤謙氏。
そして小説家の冲方丁(うぶかた・とう)氏が参加しました。
作中の技術の始まりは、すでに現実に存在している
ディスカッションはそれぞれ専門分野と『攻殻機動隊』の関係についての話からスタートしました。
トップバッターは『攻殻機動隊 新劇場版』の脚本を担当した冲方氏。
以前は攻殻機動隊の世界は奇抜で、人間の脳がコンピュータネットワークに直接つながる「電脳」や
「サイボーグ」とは何かをきちんと説明する必要がありましたが
現在では作中で人工的な手足が転がっていても、それが切断した人間の手足ではなく
サイボーグの手足「義体」だと視聴者が理解してくようになりました。
「現実とフィクションが近づいたことで、作品のインパクトが小さくなった」(冲方氏)
モノに触れた感覚など、身体的な経験をいかにデジタル化して多くの人に伝えるかを考えている南澤氏。
同氏の研究は、個人や多数の人に感覚をシェアするだけでなく、感覚をロボットと繋ぐことで
ロボットに人間と同じ動きをさせるものです。