しかし、その週刊誌が発売されて、見ると、『崩れゆく日本』については
比較的淡々とした内容紹介であったが、あろうことか、同書の内容を引用して
「松下電器批判」になっていた。驚いた。私は一言も触れていない内容に仰天した。
松下に、そのことを話しながら、34歳であったが、心のなかで涙が溢れそうになった。
松下は、私の報告を、週刊誌を開き眺めながら、聞いてくれたが、聞き終わると、ニヤリと笑いながら、
「これ、きみが取材を受けてくれたんやな。
一生懸命やっても、週刊誌の記者さんは、はじめからひとつの結論を持っているんや。
仕方ないわ。こんなもんやで。きみ、心配せんでいいよ。
まあ、辻斬りにあったようなもんや。
いや、むしろ、この本のいい宣伝になっとるやないか。さらに売れるよ、この本は。
きみがまた、貢献してくれたわけや」
その言葉に、感動をした。ありがたかった。ほんとうに涙が出そうになったことを今でも思い出す。
そして、呵々大笑して、一言。
「まあ、これからな、きみもいろいろ、こういうことを経験するようになる。
けどね、辻斬りの刃をヒラリとかわす名人もいるわな。
そういう、刃をかわす名人になれや。これから勉強していったらな、きみも名人達人になるわ」
ちなみに同書は、60万部を超えるベストセラーになり
昭和51年1月には、全国の書店が選ぶ、最も書店の売り上げに貢献した書として、第10回「新風賞」を受賞している。
画像等
http://i.imgur.com/hE2yLJn.jpg
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以下ソース
http://toyokeizai.net/articles/-/61516