巷に溢れる「若者の○○離れ」。
もはや言ったもん勝ちな状況だが、果たしてそれらは本当なのだろうか?
「統計を見ると、世の中が思っている若者の姿と現実は違うと思います。
まず、何と比べて離れているのかですが
だいたいがバブル世代や景気が良かった頃と比べていますよね」と
語るのはニッセイ基礎研究所の久我尚子氏。
しかし、これだけ世間で言われるからには実際に離れているものもあるはずだ。
「恋愛と結婚は離れています(苦笑)。
恋愛に関しては異性の交際相手がいない割合を
国立社会保障・人口問題研究所がとっていますが
交際相手のいない未婚者の割合はどんどん多くなっていますね」
では、大騒ぎされている割に実際離れていないものは?
「意外ですがアルコールですね。確かに飲酒習慣率は男女ともに20代は下がっています。
ただ、男性は30~50代も下がっていますし
全世代的に健康意識が高まっている側面が大きいと思います」
このように若者のデータだけを見せて、若者離れと形容するケースはかなり多いという。
「海外旅行をしない、海外で働きたくないという海外離れに関しても違うと思います。
確かに’90年代と比べて20代の出国者数は減っていますが
それは少子化の影響で、人口に対する出国率はむしろ上昇しているんです」