創業14年のベンチャーが“自動車”の概念を変えようとしている。
東京・茗荷谷の住宅街の一角。民家のガレージを改装した工場内には
自動車やゴルフカートのような車両が並ぶ。
いずれも人が操作しなくても走れる「自動運転車」である。
手掛けるのは2001年に創業したZMPだ。
社員約50人の中小企業ながら、顧客リストには日本の大手自動車メーカーや部品会社が名を連ねる。
2014年に米半導体大手インテルと資本提携。今年に入ってからも
コマツやソニーが立て続けに出資や共同開発をすると発表した。
GPSが使えない場所でも自動走行
各社が目をつけるのは、ZMPのSLAMという自動運転技術だ。
通常、自動運転車は位置を確認するのにGPSを使うが
SLAMは自動車に搭載したカメラやレーダーなどを用いて周りの環境を推定。
それを基に、次にどう行動すべきか人工知能を使って判断する。
山間部など、GPSが使えない場所でも自動走行ができるのが強みだ。