日本の食料自給率は昭和40年度には70%を記録するも、そこから大きく低下し、近年は40%前後で推移している。
農作物に限って見ても、ただでさえ農地の維持コストがかかる山間部が多く
広大な国土や平野部を有する国に比べて耕地面積が小さい日本。
昨今は用途の転用や放棄によって耕作地の減少が進んでいるという。
また、食料の輸入依存度の高さは、地球環境や経済・雇用など多くの問題を孕んでおり、効果的な対策が急務となっている。
この点に関し視点をアメリカに移せば、ワイオミング州でプロジェクトが進められている
“従来の10分の1の耕地面積で同じ量の農作物が獲れる”というプロジェクトが非常に示唆に富んでいる。
農業向けとはいえない環境
アメリカ西部の山岳地域にまたがるワイオミング州は
高地・寒冷という農業に適しているとはいえない条件を備えた土地だ。
州面積は全米で10本の指に入るものの食料自給率は低く、多くを他州から輸送しているのが現状だ。
そんな同州ジャクソンホールで先日、バイオ系スタートアップ企業のVertical Harvestが
3階建てで約4,100平方メートルの面積を持つ垂直型(Vertical)の温室建設を発表。
駐車場の敷地横のわずかなスペースに建設されるこの施設は来年にオープン予定となっており
すでに収穫されると見込まれる内の95%についての売買契約が、地元レストランや食料品店
そしてオンラインを通じて消費者との間で交わされている。