【テクノロジー】次期スパコンExaScaler 1.5で1PFlops超えに挑む - PEZY、PEZY-SCチップのロードマップを発表

1名無しさん@Next2ch:2015/03/02(月) 13:59:13.12 ID:OJ94lL/D

2015年2月20日に大阪で開催されたPCクラスタコンソーシアムの「PCクラスタワークショップin大阪2015」において
PEZY Computingの齊藤元章社長が特別講演を行い、その中で、睡蓮スパコンに使用した
「ExaScaler 1(ES1)」を大幅に改良した「ExaScaler 1.5(ES1.5)」の開発を発表した。

このES1.5ではPEZY-SCチップを使用するが、実装密度を4倍に改善し、性能/電力も30-50%向上する。
また、PEZY-SC2チップからPEZY-SC3、4チップを含むロードマップを発表した。
次世代のPEZY-SC2チップに関しては、すでに開発を開始しているという。

ExaScaler 1ではフッ化炭素による浸漬液冷を実現したが
液相だけを使う単純な構成しか間に合わせることが出来なかった。
また、空冷を前提としたSuperMicro社のサーバブレードを流用したため
体積が大きく液冷のメリットを十分活かしきれていない。

また、マザーボードの設計から、PCI Express経由のPEZY-SC間の通信が利用できないなどの問題があった。
また、PEZY-SCはDDR4 DRAMに対応した設計となっているが、DDR4 DRAMの入手が困難で、DDR3を使わざるを得なかった。

PEZY-SCチップもES(製品に使用しても良いが、本来は技術評価用の試作品)しか間に合わず、本来のターゲットに比べて、動作クロックがかなり遅めのチップしか使用できなかった。そのため、電源電圧を下げるなどのGFlops/Wの改善が出来なかった。

また、チューニング期間が短く、十分なコードの最適化が出来なかったなどの問題がES1では残ってしまっていたという。

これらの問題を解決するES1.5の開発について、齊藤社長は、特別講演の中で明らかにした。

ES1.5ではプロセスパラメータを最適化して本来の目標性能となる量産チップを使い
電源電圧を下げるなどの省電力手法を使って性能/消費電力を最適化する。
そして、DRAMもDDR3からDDR4に変更してメモリバンド幅の改善と低電力化を行う。
また、既製品のマザーボードではなく、PEZY-SC間にPCI Express経由の通信ができるボード
(正確には、マザーボードをキャリアボードに搭載する構造)を開発する。

体積密度と冷却効率を突き詰めた完全新設計の液冷システムを開発し、この液冷システムに最適化したボードを開発し
気液2相を使うハイブリッド液浸冷却を実現するヒートシンクを開発する。

2名無しさん@Next2ch:2015/03/02(月) 14:00:09.77 ID:OJ94lL/D

そして、2015年6月には、これらの改善を行ったES1.5を設置して稼働させるという意欲的なスケジュールを提示した。
これが実現できると、1台の液浸槽に64個のXeonと256個のPEZY-SC、そして、36ポートのInfiniBandスイッチ2台を収容できる。
そして、4台の液浸槽で、倍精度浮動小数点演算のピーク性能で1.6PFlops、LINPACK性能で1PFlops
(消費電力130-150kW)のシステムが作れる。

液浸槽4台の体積は、ほぼ19インチラック1本と同じであり、Peta in a Boxのシステムが実現できることになる。
この開発が順調に進めば、2015年7月にドイツのフランクフルトで開催されるISC2015で展示を行う予定であるという。

「ESLiC-32」と呼ぶES1.5の新冷却槽は、16個のモジュールを収容する構造になっている。
各モジュールは14cm角で長さが約80cmの角柱である。
このモジュールには4枚のキャリアボードが入っており、それぞれのボードにXeon1個とPEZY-SC4個が搭載されている。
従って、全体ではXeon64個、PEZY-SC256個が新液浸槽に収容できる。

そして、ボードの上部にはInfiniBandのNetwork Interfaceカードと電源が配置されている。
さらに、4×4のモジュールの外側に36ポートのInfiniBandスイッチが搭載されている。
そして、モジュールの角にある角柱のパイプから冷媒のフッ化炭素を供給する。

ES1の液浸槽はXeon16個、PEZY-SC64個収容であったでので、新液浸槽にはXeon、PEZY-SCともに4倍の密度で詰め込まれている。

またこのシステムはXeonを4個搭載するキャリアボード
XeonとGPU、あるいはXeon Phiを2個搭載するキャリアボードの開発も行っているという


(全文はリンク先で)

以下ソース
http://news.mynavi.jp/articles/2015/03/02/exascaler_pccluster/


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