安価でSS書くわ ID:9TqgraML

62ジャスパー◆3VwoWSjoHw:2015/03/16(月) 00:55:39.48 ID:9TqgraML

グラグラグラ

咲子「……うっ」

ガキ「……?」

グラグラグラ

咲子「おっ……おえええぇぇぇッ……」ゲロゲロ

なつみちゃん「えっ……」

ガキ「……うそだろ。なに人の夢で吐いてんだよ台無しだよ」

咲子「……私、夢酔いが激しいの」

ガキ「夢魔なのに?」

咲子「……」

ガキ「おいどうすんだよこの空気」

咲子「ごめんなさい……オエッ」

なつみちゃん「ちょっ、ちょっと大丈夫?」

咲子「え、えぇ……。優しいのね……。一枚もらっていいかしら……?」

なつみちゃん「あぁんっ!私、目覚めちゃうっ……!ビクンビクン」

乳男「……くっさ、なんだこの臭い」

ガキ「親父……」

乳男「お前は……まさか、ガキ……?」

ガキ「あぁ……」

乳男「なぜだ……。今どこにいる?いや、聞きたいことはたくさんあるが……」

乳男「……ガリガリ君は食ってるか?」

ガキ「ほぼ毎日な」

乳男「では、なぜ夢を見ている?」

ガキ「……どういうことだ?」

乳男「やはり知らないか。ガリガリ君には、夢を壊す作用がある」

ガキ「……は?」

乳男「いや……厳密に言えば、ガリガリ君の『ソーダ味』には夢を壊す作用がある」

ガキ「……ソーダ味は今までで一度しか食べたことがない」

乳男「……はぁ。親父はまた自分だけソーダ味を食べているのか」

ガキ「そうだな。俺には巨峰かコーラ味しかくれない」

乳男「……」

ガキ「つーか、夢を壊すってどういうこどよ。ガリガリ君はただのアイスだぞ」

乳男「……ガリガリ君を食べると、頭がキーンとなるよな?あれだ」

ガキ「……」

乳男「夢の世界というのは、常に自分の頭の中にある。眠っているときは意識がそちらに行くだけで、どちらの世界もなんら変わりない」

乳男「頭がキーンとなるのはどのアイスでもそうだが、ガリガリ君には特別な効果がある」
























63ジャスパー◆3VwoWSjoHw:2015/03/16(月) 01:22:36.75 ID:9TqgraML


グラグラグラ

乳男「現に今、お前の夢はとても不安定だ。ジェンガの終盤みたいに」

ガキ「……俺が寝る前、ガリガリ君の巨峰味を食ったから……?」

乳男「そういうことだ。ソーダ味を食べていたら、お前は夢など見ずに安らかに眠っているだろう」

咲子「おっおえぇぇえええ……」

なつみちゃん「……もう。ほら、私を使って……」

咲子「ありがとう……」シュルル

なつみちゃん「アァァァァンッ!」

ガキ「……それはわかった。……俺からも聞きたいことがある」

ガキ「……なぜ俺を捨てた」

乳男「……」

ガキ「答えろ」

乳男「ママ子がアイツに殺されて、俺は気が動転していた。復讐に取りかれていた」

ガキ「……」

乳男「咲子を殺すために、俺はあらゆる……」

ガキ「そのへんは知ってんだよ。それからだ」

乳男「……」

乳男「俺は、アイツを殺すために、アイツに取り入る……ふりをした。俺の力じゃ、どんなことをしてもアイツを殺せなかった」

乳男「その目的は、この身体を悪魔に変化させること」

乳男「方法は簡単だった。アイツの肉体の一部を俺に移植するだけ」

ガキ「……」

乳男「咲子は見事に騙されてくれた。そして、俺はインキュバスとなった」

乳男「リアル世界の身体は、その身に宿した力によって朽ちた。ただの人間が夢魔になるということは、この夢の世界でしか生きられないということ」

乳男「そんな俺が、子供一人まともに育てられるわけがない。だからお前には俺の存在を、完全に知らないでいて欲しかった」

ガキ「……」

乳男「俺がまだインキュバスとしてリアル世界に居られた数分の間。その時間でお前の全ての記憶を消した。そして一枚の写真だけ残し、俺はこちら側の住人となった」


このIDをNGリストに追加する

今後このIDの書き込みやスレッドを表示したくない場合、以下のボタンをクリックしてください。
NGリストに追加

レスを書き込む