グラグラグラ
咲子「……うっ」
ガキ「……?」
グラグラグラ
咲子「おっ……おえええぇぇぇッ……」ゲロゲロ
なつみちゃん「えっ……」
ガキ「……うそだろ。なに人の夢で吐いてんだよ台無しだよ」
咲子「……私、夢酔いが激しいの」
ガキ「夢魔なのに?」
咲子「……」
ガキ「おいどうすんだよこの空気」
咲子「ごめんなさい……オエッ」
なつみちゃん「ちょっ、ちょっと大丈夫?」
咲子「え、えぇ……。優しいのね……。一枚もらっていいかしら……?」
なつみちゃん「あぁんっ!私、目覚めちゃうっ……!ビクンビクン」
乳男「……くっさ、なんだこの臭い」
ガキ「親父……」
乳男「お前は……まさか、ガキ……?」
ガキ「あぁ……」
乳男「なぜだ……。今どこにいる?いや、聞きたいことはたくさんあるが……」
乳男「……ガリガリ君は食ってるか?」
ガキ「ほぼ毎日な」
乳男「では、なぜ夢を見ている?」
ガキ「……どういうことだ?」
乳男「やはり知らないか。ガリガリ君には、夢を壊す作用がある」
ガキ「……は?」
乳男「いや……厳密に言えば、ガリガリ君の『ソーダ味』には夢を壊す作用がある」
ガキ「……ソーダ味は今までで一度しか食べたことがない」
乳男「……はぁ。親父はまた自分だけソーダ味を食べているのか」
ガキ「そうだな。俺には巨峰かコーラ味しかくれない」
乳男「……」
ガキ「つーか、夢を壊すってどういうこどよ。ガリガリ君はただのアイスだぞ」
乳男「……ガリガリ君を食べると、頭がキーンとなるよな?あれだ」
ガキ「……」
乳男「夢の世界というのは、常に自分の頭の中にある。眠っているときは意識がそちらに行くだけで、どちらの世界もなんら変わりない」
乳男「頭がキーンとなるのはどのアイスでもそうだが、ガリガリ君には特別な効果がある」