安価でSS書くわ #28

28ジャスパー◆3VwoWSjoHw:2015/03/11(水) 20:27:14.05 ID:RPvPCEIS

なつみちゃん「あれ?ガキ来てるかと思ったけど」

マスター「……」

なつみちゃん「私、ガキにとってなんなんだろう……。トイレに行くからって置いていかれる程度の存在なのかな……」

マスター「……」

なつみちゃん「あんなに尽くした……ッ!あんなに尽くしたのに……。身も心もガキに弄ばれて……馬鹿みたいッ!」

マスター「……」

カランカラン

マスター「いらっしゃい。どうぞお好きな席に」

客「ブレンドひとつね。いやー、聞いてくれよマスター」

マスター「どうしたんです?」

客「今来るときに、物乞いのガキかな……。そこにぶっ倒れてるもんだから俺びっくりしちゃって」

なつみちゃん「!?」

客「あまりにもきたねぇ身なりしてるもんだからさ、そんまま放置して来たんだけど。いやー、この辺りも物騒になってきちまって……」

マスター「……そうですねぇ」

なつみちゃん「ちょっと!助けに行かなくていいの!?」

マスター「なんでわしが……。まだ孫だって確信もないのに……。ブレンド、お待たせしました」

客「ありがとう……。ふぅ、いやーやっぱこの味だなぁ!」

マスター「ありがとうございます」

なつみちゃん「……」

マスター「……」

なつみちゃん「……ひとつ教えてあげる」

マスター「……なんじゃ」

なつみちゃん「写真よ。ガキは一枚の写真をいつも大事そうに持っていた」

マスター「……写真」

なつみちゃん「その写真に映っていたのは、まだ産まれて間もない赤ちゃんと、それを抱き抱える初老の男性」

マスター「!?」

なつみちゃん「その男性が左手に持っていたもの……それがなにか、あなたならわかるはずよ」

マスター「まさか……」

なつみちゃん「わかったなら、早く助けに行ってあげて!」

ガタガタッ

客「お、おいどうしたんだい!?」

マスター「すみません……ちょっと出てきます」

客「出るってどこに……?」

マスター「わしの、たった一人の……」

孫に会いに━━


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