ガキ「コーラ味ってのはガリガリ君の中で最も邪道だと思うんだよ」ガリガリ
ガキ「元来、ソーダとコーラは争いを繰り返してきた。20世紀、史上最も残酷と言われた三ツ矢戦争……。結局勝ったのはソーダだった」
ガキ「コーラはそれに屈することなく海外勢を手込めにして勢力を伸ばして……ってあれ?なつみちゃん?」
ガキ「うわぁ……カフェに忘れてきた」
ガキ「取りに戻っ……うっ……」クラクラ
視界が回る
ここにきて、極度の栄養失調がガキを襲う
ガキ「やべぇなこれ……」
ドタッ
ガキ「うっ……うぇッ……ゲホゲホッ」
ガキ(あぁクソ……)
もう、立つ力すら……
意識が暗闇に呑まれていく━━
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なつみちゃん「ねぇ思ったんだけど、どうしてそんなにガリガリ君買うの?あなたがそんなに食べる訳じゃないでしょ?」
マスター「……」
なつみちゃん「おじいちゃーん!!聞こえてるー!?耳遠いってレベルじゃないよこれ……」
マスター「……息子との約束じゃよ」
なつみちゃん「あぁ聞こえてるのね。ちゃんと反応してくれないと」
マスター「息子は言った。『親父、いつかお前の店に俺の息子が現れる。そのときは、何も言わずに、ガリガリ君を与えてやってくれ』と」
なつみちゃん「……」
マスター「あと単純にわしが好きだから」
なつみちゃん「へぇ……」
マスター「さて、買うものは買った。あのガキもそろそろお主を忘れたことに気づく頃じゃろう」
なつみちゃん「ね、ねぇ。ガキはあなたの孫……じゃないの?」
マスター「……」
なつみちゃん「また無視ですか……」
マスター「……わしも迷っておる。が、あまりにも息子と似ていないんじゃよ。息子はもっと温厚な男じゃった……」
なつみちゃん「そうなの……」
マスター「……」
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