>>10
ごめん、コピペミスって中途半端に送っちゃったから続き貼っておくね~
会場中から上がった。
それを、女の子の耳から掻き消すように、女の子チームのベンチの子たちが、「どんまいどんまーい!」とか「大丈夫大丈夫ー!」ってエールを送る声さえやたら痛々しく聞こえた。
瞬間、ガヤガヤと、観客全員が堰を切ったように喋り始め、元の騒がしさに戻った。
約2400人の空間らしい騒がしさの中、
1本目を外した女の子の元に、コートにいるチームメンバーの子たちが集まって励ましていた。
この時点で女の子は泣いてたんだろうな、腕で目元を拭うような仕草をしていた。
「やばいよあれ、ドラマじゃん」
って、俺は隣の友達と喋ってた。
コート上の審判が、そろそろ再開するよと合図をして、女の子の元に集まっていたチームメンバーの子たちが解散して、フリースローに一人ぽつんと残された14番に、また2400人の視線が集まった。
審判が「ワンショット」と合図して、女の子にボールをパスした。
女の子は1本目よりかは幾分リラックスした調子で、何度かドリブルをして、シュートモーションに入った。
今度は観客全体が静かになることはない。
静寂ではないけど、そこを注目している全員が、文字通り固唾を飲んで見守っていた。
そして、シュッと、両手からボールが放たれる。
真っ直ぐでゆったりとした、柔らかい軌道だった。
これは入ったな、と俺は思った。
スパッとボールがネットを揺らす音が聞こえるはずだった。
しかし、ボールはガコンとリングの根元に当たって弾かれる。
ボールは空中に飛んで、
2本目のフリースローも外れた。
それを見ていた全員がその瞬間、何かを言いたかったはずなのに、
ぐっと我慢したのがわかった。
開場中がおかしな空気だった。
ボールが床に落ちるのと同時に、14番の女の子がしゃがみ込んで、両手で顔を覆った。
俺はもう見ていられなくて、思わず水筒のアクエリアスを一気飲みした。
こうして、1点差のラストプレーのフリースローでまさかの2本とも外すというどこまでも残酷な結末で、この試合は終わった。
うずくまるように静かに泣く女の子の周りには、チームメンバーや監督、敵チームの子たち、ファウルをした子が集まって、肩や背中をさすったりして、励ましていた。
俺を含めた2400人の観客たちは、
「なんだか凄いものを見たぞ」という変な興奮で謎の一体感が生まれていた。
長くてすまんな。以上で終わりです
まだいくつかバスケトークはあるから、機会があれば書こうと思います。
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