さて、何から話すべきか #28

28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2021/05/17(月) 15:15:53.19 ID:qSw44eqq

「じゃあ、まずは教えてもらおうかぁ」
俺は立ち上がりニヤニヤと勝ち誇った顔で言う
「な、なにを」
何を、思ったのか座ったままの熊娘は体を小さくする
「名前だよ、聞いてなかったじゃん」
「・・・・・・、ユウヒ」
体の緊張を解いた熊娘が口からこぼれるように呟いた
「ユウヒちゃんか、うん、可愛い」
「オマエ ひきょうだぞ 死んだふり!」
「作戦勝ちといってほしいなぁ」
俺はユウヒを起こし、人の道までの案内を頼むことにした
というか少し喋りが流暢になっているような。まあいいか

「なんで 手をつなぐ」右往左往に逃げた道を戻りながらユウヒが聞く
「いやー今になってユウヒちゃんに逃げられたらどうしようもないしさぁ」
そういいながらユウヒの腕をさする、あの力からはとても想像ができない華奢な腕だ
「ショウブで負けたから にげはしない」
「うん、まあ本当はこのすべすべな腕を触っていたいだけなんだけど」
「・・・変な奴」
歩きながらユウヒの体を隅々まで見ているとモフモフホットパンツからこれまた丸いしっぽが出ているのを見つける
「これ、しっぽ?触っていいの?」
「ひゃん! オマエ! 答える前にさわってる!」
赤い頬にとがった目をしてユウヒが言う。だってもふもふなんだもん。仕方ない
そうこうしているうちにさっきゴミ袋を捨てたところまで戻ってきた。ポイ捨てはよくないので拾う
「このラムネビンにも感謝だな、あ、そういえば・・・」
ユウヒが少し赤くなった左手首をぺろぺろとなめている
「少し、イタイ」「すみませんでした」「なんで謝る、おたがいさま」
そういってユウヒは俺の手の甲へ視線を向ける
「あぁそうか、そうだね」
なんだか精神面で負けた気がしたのでいたずらに脇腹をつまむと「ひゃん」と声を上げていた。可愛い
それからすぐ俺たちは二人が出会った川まで戻っていた
「さて、じゃあユウヒちゃん、いや、ユウヒ。今から先に水浴びをしよう」
互いに山中を駆けまわってたせいで泥だらけだ。俺なんか額と手の甲に血までついている
そそくさと服を脱いで水に入ることにする。が、足だけ入れてみるとかなり寒い。まあ火照った体にはちょうどいいか
浸かって顔面やらまたぐらに付いた汗を流していてもすぐに綺麗な水が水上から流れてくる
「天然のシャワーだなこれは」
それにしても一向にユウヒが来ない
どうしたのかと振り返るとユウヒは恥ずかしいのか、もじもじと手を動かしながらチラチラと俺の方を見ていた
ジッと見つめていたがもどかしくなって一言、ぼそりと口にした
「勝負に勝ったのになぁ・・・」
すると観念したように服を脱ぎだした。そう手足の着ぐるみさえも。
俺の身体を痛めつけた手足は少女の身体から外れただの衣装になってしまった
「一体どうなってるんだ…」
俺は深く考えるのを止め、衣服を脱ぎ、一糸まとわぬ純白の姿になったユウヒにただ見とれることにした
ユウヒが俺に近づいてくるたび鼓動が高まっていく
まじまじと見ていいものかと思ったがきめ細かな肌や半歩ずつトコトコ歩く仕草が可愛くてどうにも目が外れなかった
本当にさっきまで威嚇ポーズでのしのし歩いてきた少女と一緒なんだろうか
ここまでドキドキするのは川岸に来た少女が自分の隣に座ってきたからなのか、単に川の水が冷たかったからなのか俺にはもうわからなかった
「こ、これは取れないのか」俺はさっきまでと違ってぎこちなくユウヒの頭の耳を触ってみた
「それは 取れない 生えてるから・・・」

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