さて、何から話すべきか #18

18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2021/04/24(土) 17:11:48.93 ID:3k/th6cI

熊出(くまで)山はこの町じゃあ有名な山だ
アクセスも良くて手軽だから小学校の遠足で登ったりする
もちろんそれは俺も例外じゃない
今日の良き日に自然を感じられる場所、といって思いつくのはここくらいなものだろう
しかし若菜に言われて俺は熊出山では散々な目に合ってきたんだったと思い出した
若菜にすり減らされた心から閉じ込めていた苦い過去がぽろぽろと零れ落ちてきた
そう。あれは俺が小学生の頃

俺「!!。若菜のパンツ苺柄じゃん、かわいいな!」
友達「俺君そういうのやめた方がいいよ。気持ち悪い」
「え?」
旧友達「俺、俺もう友達止めるわ」
「え?」
若菜「きっしょ、あんた一生童貞になる呪いかけといたから」

・・・あれのせいで、俺はいまだに彼女もいないのだろうか
若菜のきっしょの口癖はこの時からだったろうか
しかしこれに関して俺は一つ言ってやりたいことがある
まずスカートで山を登ろうとしたアイツが悪いのだ頂上付近は少し勾配もきつくなるのだから顔を上げた拍子に後ろにいる俺にパンツをみられても仕方ないじゃないか
そもそも山にスカートで来てた若菜が周りから浮いてたんだ、当り前だ山だぞ。ズボン穿いて来いよ
それを察した幼馴染の俺が一笑い起こしてその気まずさを消してやろうとしたのに。失敗したけど
しかし若菜は童貞になる呪いなんてどこで覚えてきたんだろう。当時は俺も周りもわからなくて結局若菜一人が顔を赤らめてたじゃないか
そうだ結局この出来事が小学生の間ずっと引きずられてしまったから中学ではこんなことにならないようひっそり生きていたのに・・・
あれはそう、中学のPTA行事で登った時のこと

同級生「先生ー、俺君がもじもじしてまーす」
俺「い、いや、これは、ちょっと膀胱が膨らんでるだけで…。山頂まで持ちますから」
先生「うん?そうか。あんまり我慢するなよ」
俺「はい!」ブリブリ
「……」
同級生「せんせーい、俺君後ろから出ちゃった見たいでーす」
若菜「きっしょ、あんたはカレー柄のパンツが好きなのね」

違うんだ。返事をしたときについ肛門に力を入れすぎただけなんだ
おならを出して膀胱や大腸の膨らみを抑えるなんてこと誰だってするじゃないか
断じて先生の我慢するなよに応えたわけじゃないんだ。信じてくれよ
しかし考えてみれば山頂にトイレがあるわけでもないのに俺は山頂についてその後どうするつもりだったんだろう。やはり野糞は避けられなかったということか
独りの弁明と、反省会は熊出山の入り口に来るまで続いた
熊出山は山道といっても人一人しか通れないような細道などはなく、舗装されていない峠といった方が近い
活気あふれる木々が辺りを新鮮な空気で満たしている
鼻から大きく空気を吸い込むと体にはびこるカビがどんどんと取れていくような気がした
苦い過去を思い出して行き先を変えようか悩んでいたが山に罪は無いようだ
山頂からの眺めを期待し、俺は熊出山へと足を踏み入れた
少し進んだところで分かれ道がある
「どちらへ進もうか」

◎ 右に行く
   左に行く


書く書く言っといて書いて無い

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