続いて死について考えたのはじいちゃんの葬式だった
夏休みにしか会わない遠く離れた県に住んでいるじいちゃんは無口な人でよく酒を飲んでいた
自動販売機で買ったワンカップをよく飲んでいて、今でもワンカップはじいちゃんの酒というイメージがあるくらい
話した記憶はほとんどなくて、覚えているのは無言のじいちゃんばかりだった
じいちゃんがいつも座ってる席で腰を踏んでほしいと頼まれたこと
猫と釣りが好きで猫を飼いたがっていた事、釣ってきた魚や貝をよく食べさせてくれた事だ
そんなじいちゃんが死んだ時も涙は出なかった
葬式だから泣かなきゃいけないなと拳を握りながらうつむいていた事、死体と火葬がものすごく怖かった事だけを覚えている