今日も書くか
今日も書くか
一人でエレベーターに乗っていると、ふと思うことがある
扉が開いたその時に、誰かが入って来やしないかと心配になるのだ
そりゃ当然、だれか入ってくる
小太りのおじさん、半袖の小学生、黒のスキニーにロングTシャツの大学生
入ってくるのは当然なのだけど、駆けこまれたりすると少し体が強張る
自分の家に知らない人がどうも、と尋ねてくるような感じだ。しかも勝手に上がり込んでくる
いやまあ、自分の家でもないんだけど
デパート、会社、駅にマンションどこにでもある私だけの空間
どこも私の居場所じゃないのになぜだか落ち着く
いっそエレベーターに住みたいなぁなんて
いやしかし、トイレはどうしようか。料理をするなら景色の見えるエレベーターがいいな
と、冗談交じりで考え事をしているとエレベーターが目的の階に着いた
今日はずっと一人だったな。
扉が開くと私と同じ背格好の女性が入れ替わりで入っていった
口元が少し緩んでいたように思う。
そうか、エレベーターはみんなの家なんだな
私は妙に納得して駆け足で出かけた