一年間暇だしなんか続けようとおもう ID:CzLWXhFO

88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2020/02/03(月) 00:32:21.80 ID:CzLWXhFO

雲はなく、陽が平等に降り注ぎ、木々も動物も活力に溢れている
誰もが仰ぎたくなるようなそんな青空
しかしこの男だけはこの世界で一人暗かった
チャリンコを漕ぐ男に気づき、前方にいる夫婦は道を開ける
「よける必要なんかないのに、どうせこの後信号に引っかかるんだから」
そうは思いながらも、男は軽く頭を下げ、ギアを上げながら進む
50mほど進んで交差点で足を止める
男が対向に目をやる
ショートパンツをはいた女の子が泣いている、アイスクリームを落としたのだ
しかし問題はない。すぐに母さんが駆けつけて慰めるのだから
まぁそれから先のことは知らないが
そう、この男は未来予知が出来たのだ
朝起きて今日一日、自分がどんなことをしてどんなものを見るのかわかってしまう
全くそれ通りに動いて、狂うことはない
だから男はいつも退屈だった、視えるだけ。変えられないし、変わらない
匂いも感情も、すべては最初からそこにあって、男はなぞるように進むだけ
しかし今日は少し違った、男は今日、死ぬ予知を見たのだ
しかも自殺
「笑えるな。まさか自殺で死ぬとは。」
最後の食事はサンドイッチと決まっている。コンビニでそれを買って近くの岬に向かう
岬の端に立って男は思う
「はぁ、まったく、私は何のために生まれたのだろうか。起きたときにはすべてが決まっている。
自分の思うようにしたようでいて、何一つ決めてはいない。羨ましいというやつもいたがさっぱりだ、
私の人生に起伏はない、それが何よりもつまらない」
時間が来た
太陽が地平線に沈むと同時、私はこの崖から飛び降りることになっている
男は最期に赤く燃える二度目の空を見た
鈍い音がしてそれから真っ暗な夜が来る
男の身体は波にさらわれ、広い海の藻屑となった

89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2020/02/03(月) 00:33:50.60 ID:CzLWXhFO

何だろう、ちょっと長めの書きたくなってきたな


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